砂の器 日本海編�供 複横娃娃掲�10月)
今年の夏、丹後半島から鳥取までのロケ地を訪ねて以来、
またあの日本海を見たいという思いが頭から離れなかった。
「宿命は変えられる。もう一度、生まれればいい」
あさみに、そして自分自身に言い聞かせていた言葉。
あまりにも寂しいあの場所だけれど、思い切って行ってみた。
賽の河原
青森県深浦町(旧・岩崎村)の海岸に突き出た岬に賽の河原がある。
数年前に某ドラマの撮影にも使われた。
賽の河原は、伝説が語り継がれている神秘の洞窟“ガンガラ穴”の上にあり、
昔から霊地とされてきたところである。地元民によると、明治以前からこの地にあるのだという。
「賽の河原に積んだ石を投げると海が荒れる」「8月7日の夜は訪れてはいけない」
という言い伝えがある。
(「日本全国賽の河原めぐり」より転載)
「ガンガラ穴観光船」の案内所と駐車場。
その奥に立てられている看板。
この階段を上がっていく。途中にもこんな石積みがある。
階段の半ばあたりから。白い車が私のレンタカー。
向こう側に見えるのは白神山地の山々。
反対側の景色。天気はよかったけれど、風が強く、やはり海は荒れている。
左側の特徴ある岩に見覚えがあった。
さらに階段を登っていく。和賀さんもここを歩いたんだなぁ。
そして、こんな木々の間を抜けていくと…。
あの祠が見えてくる。
白いコートの和賀さんが、あさみの後姿を見つめていた。
もちろん、撮影前と撮影後にきちんとお参りした。
毎年8月23、24日に、供養のための大祭が行われるそうだ。
賽の河原は主に子供を亡くした母親が積む。
子供だけでなく、花が咲かなかった人も亡くなったら賽の河原に行く。
積まれた石が崩れても次の日には元通りになっている。
母親が石を積み重ねているときに石を崩したり海に落としたりすると、海が荒れたり台風が来たりする。
朝早くに行くと、小石に血がついているものがある。子供の手の皮がむけて血が出るためである。
ガンガラ穴の天井から落ちる水は、賽の河原の子供たちが泣いている涙である。
(「日本全国賽の河原めぐり」より転載)
遠い昔を思い出し、立ち止まった和賀さん。
風車はなかったが、このあたり一帯に石積みがあり、よけて歩くのにひと苦労した。
あさみがしゃがんでいたあたり。
比較的高い場所でも大丈夫な私だが、場所が場所だけに、あまり踏み出すことはできなかった。
回想場面にも映っていたこの石碑は、昭和44年に、ここ森山海岸で遊泳中に
亡くなったふたりの小学生を追悼した慰霊碑であることがわかった。
ここからは五能線の線路とトンネルが見える。
断崖の上にいたときにちょうど電車が通ったのだけれど、撮り損ねてしまった。
…ということは、あの電車から私の姿も見ようと思えば見えるということか^^;。
賽の河原にいた20分間ほどは、ずっと晴れて明るかったので助かった。
そうでなければ、ひとりでいるにはこの場所はやはり怖かったかもしれない。
桂浜
国道7号線をさらに南下。
目指したのは秋田市を少し過ぎたところにある「桂浜海水浴場」だ。
ふたりの刑事が羽後亀田の帰りに訪れた海かどうかは不明だが。
日没の5時半に間に合うようにと 車を飛ばす。
途中の信号待ちで撮った1枚。
5時半前には着いたが、低い雲がかかっていたので、夕日は見られなかった。
やはり波は高く、誰もいない浜辺は寂しかった。
秋田駅
秋田ではちょうど国体が開催されていた。
羽後亀田へは、羽越本線に乗り換える。
亀田警察署
羽後亀田の少し手前、道川というところにある「あきた病院」。
ドラマの撮影時は「国立療養所道川病院」という名称だったようだ。
羽後亀田
羽後亀田の駅は、亀田の町からはやや離れた場所にあった。
古びた駅名板はそのままだ。
10時59分の秋田行きがもうすぐ来る。
乗り込んだのは3〜4人だっただろうか。
「うわぁ、何もないですねぇ」
「ホシいわく、『亀田は変わりはありませんか』
ガイシャいわく、『変わりない。相変わらずだ』
いいじゃないですか、この風景見たら、そのまんまだ」
「期待できますね、これは」
「とりあえず、腹ごしらえしようか」
実際の駅前には食堂はない。
この建物を食堂に見立てて撮影したのだろうか。
衣川
川を眺めていたという黒づくめの男を追ってやってきた衣川。
布をさらしていた川の水は、それほど綺麗なようには見えなかった。
今西刑事が浮かない表情でよりかかっていた欄干。
龍門寺
映画版の冒頭で、ふたりの刑事が座っていた龍門寺の山門。
衣川の撮影場所のごく近くにある。
今西刑事がもらった瓜を割った仏像。
今回の旅で、「砂の器」で中居くん自身の行った地方ロケ地については、
すべて行くことができたのではないかと思う。
どこの土地も、初めての場所とは思えないような懐かしさがあり、
何度でも訪れたいという気持ちを抱かせる。
親子の放浪の足跡を訪ねる旅も、いつかは計画してみたい。