砂の器 日本海編(2007年7月)

  

     「砂の器」を作るにあたり、福澤Dはロケ地を探して、何ヶ月もかけて日本海をめぐったそうだ。

     その範囲は北海道から九州にまで及んでいる。

     今回は夕日ヶ浦をメインとして、和賀さんとあさみの足跡をたどってみた。

 

 

    伊根

            

               道の駅「舟屋の里」から。

 

            

               穏やかな水面に養殖いかだが並ぶ伊根湾。

 

            

              ちょうど木の陰になってしまっているのだが、

              あさみが歩いてきた突堤がちらっと見える。

 

 

 

            

 

               伊根湾めぐりの遊覧船から。

               赤い灯台は、あさみの視線の先にあった。

 

 

 

            

 

               舟屋の並ぶ風景。

               東西4キロにわたり、町全体で200軒以上の舟屋があるそうだ。

 

 

 

            

 

          あさみが立っていた突堤。大きなものはこれしかなかったのですぐわかった。

 

 

 

                

 

             遊覧船を降り、向かった先は…。

 

             造り酒屋さんの酒蔵の脇を入った路地。

             幅60センチあるかないかくらいのこんな狭いところに和賀さんは入っていったのね。

 

 

          

 

            

 

                   立っていたところもこんなに狭い。

 

 

 

 

            

           

             和賀さんの視線で、あさみの立っていた突堤を見たところ。

 

             し、しかし…、目の前には海水浴をする子どもたちが。

             何この人、という目で見られ(たぶん)、恥ずかしい〜^^;。

 

 

 

            

 

              あさみ側から見た、和賀さんの立ってた場所。

 

              右の長い建物が酒蔵。お店は道路を隔てた向こう側にある。

              スタッフは中居くんや松雪さんに、と「伊根満開」という地酒を買ったいう。

 

              泳いでいたのは、まさに酒蔵の隣の家の子どもたちだったようだ。

 

 

 

 

 

 

      夕日ヶ浦

 

            

  

              伊根から丹後半島をぐるりと回る形でのドライブ。

              

              変化に富んだ美しい海岸線を走っていくと、やがて夕日ヶ浦海岸に着く。

    

 

                

 

 

 

 

          

             

               

              夕日ヶ浦海岸は海水浴場。

              ホテルの立ち並ぶ東側は、とても明るくにぎやかだ。

 

 

 

 

            

 

                ロケの行われた場所は、小さな川を隔てた西側。

             こちらは遊泳禁止になっていて、数人のサーファーがいるだけ。

             綺麗に整備された海水浴場と違い、漂着物などのゴミがたくさん落ちていた。

                       

         

 

            

 

              おあつらえ向きの流木だったが…。

             あまりの暑さに、器を作ることは断念。

 

             それでも、じっと佇んでいるとあのときと同じ波の音だけが聴こえてくる。 

 

 

 

                       

            

             思わず写した親子の姿。お母さんと息子だったけど。

             誰か和賀さん役やってくれないかな(笑)。

 

 

 

            

 

                 夕日ヶ浦は、「日本の夕陽100選」の地。

 

 

 

                           

 

       上の看板から200mくらい、遊歩道が整備されていて、夕日鑑賞用のベンチもいくつかある。

 

 

 

           

 

 

 

           

 

            

 

                  

         

 

 

            

 

 

 

                

 

 

               この日の日没は午後7時過ぎ。

 

                夏の夕陽は海に沈んでいく。

 

               次第に日中の熱が冷めていく砂の上に座って、赤く染まっていく空と海を見つめていた。                  

 

               心の中のBGMは、「宿命」ではなくて「やさしいキスをして」だった。

 

 

 

 

 

 

    竹野町宇日

 

                                 

               

 

           

                     

            ドラマで見たままの不思議な色合いの美しい入り江。

            

            ここは平家の落人伝説があるところで、自衛隊が海岸線の道路を切り開く前までは

            船でしか行くことのできない、「秘境」だったそうだ。 

            

 

 

 

           

   

             和賀さん、そして千代吉と秀夫が立っていた、入り江を見下ろす場所。

             峠を下った急なカーブで、車も時おり通るので、とてものんびりはしていられない。

 

 

 

           

 

             あさみが歩いてきた橋。

             その先に停めてあるのが私のレンタカー。

 

 

 

           

 

             画面には映らなかった漁港の外。美しい海岸線が続く。

 

 

 

           

      

             ほんとうに小さな小さな漁港だ。

 

 

 

           

 

           

 

             実家へ向かう道。

             この手前に受付のテントがあり、そこから花輪が並んでいた。

 

 

 

           

 

             2階建ての家があさみの実家。

             雨戸が閉まっていて、人の気配はなかった。

 

 

 

           

 

              あさみがしゃがみこんでいた浜。実家のすぐ裏手。

 

 

 

           

 

             それを見つめていた和賀さんの目線で。

 

 

 

           

 

              この物置小屋の後ろに和賀さんがいた。

 

 

 

 

 

 

 

    鎧駅

 

             

            あさみが降りた「丹後神山駅」。

 

            実際は、ここ兵庫県の山陰本線「鎧駅」だ。

 

 

 

           

 

            コンクリートの、なんの情緒もない駅舎。

            無人駅で、この2時間ほどはちょうど電車が来ない時間だったので、人影もない。

            

 

 

           

           

             隣は、有名な餘部駅。

 

 

 

           

 

             この鎧駅は、以前「青春18きっぷ」のキャンペーンポスターになったとのことで、

             日本海を望む駅として鉄道ファンの間では、有名だそうだ。

 

             「何でだろう。涙がでた。」

 

             そのときのポスターに書かれていたコピー。

             

            

 

           

            

             トンネルを出てきた赤茶色の普通電車から、あさみは降りた。

 

 

 

 

           

 

           

 

           

 

            ここも宇日と同じように、小さな小さな漁港。

 

 

 

           

 

             日本海を眺めるために置かれているベンチ。

 

 

 

 

 

 

 

   鳥取砂丘

 

     

       

       鎧まで行けば鳥取はもうすぐ近くだ。

             

             当初の予定にはなかったが、足を伸ばすことにした。

     

 

 

           

 

             ここに来たのは2回目。             

             さすがにものすごく暑く、「馬の背」の上までは登らなくていいかな、と思ったのに。

            

 

 

           

 

             ついつい周りにつられて登ってしまった^^;。

             さすがにこの辺はきつかった。

 

            吹き飛ばされそうな秀夫と千代吉を後ろから撮っているのはここだと勝手に思っている。

 

 

 

           

 

             風が強く、熱く焼けた砂の上には風紋ができていた。

 

 

 

 

 

 

   余部鉄橋

 

 

 

           

 

             有名な余部鉄橋は、鎧駅から山道を下りてすぐのところにある。

            

             老朽化のため、コンクリート製の橋に架け替えられることになっている。

 

 

 

               

 

          帰宅してから、余部鉄橋の観光客が今年減っているというニュースを読んだ。

  

          この夏に「架け替え工事」が始まったのを、「橋がもうなくなった」と思っている人が多いのだとか。

 

 

 

 

 

 

   お泊りは・・・

 

 

  

           

 

             1日目の宿は木津温泉。

 

            この宿を選んだのは、ひとりでも泊まれたことと、松本清張ゆかりの宿だったからだ。

             清張はこの宿に逗留し、丹後の浦島伝説や羽衣伝説をもとに、小説「Dの複合」を執筆した。

            

            小説の中で、清張はここを「浦嶋館」と名づけている。

 

 

 

           

 

            

            本館の玄関の上の小部屋が「清張の書斎」。

            清張のお気に入りの空間だったそうだ。

 

 

 

 

           

 

                           2日目のお泊りは、こちら。城崎温泉。

            

            理由は明確。中居くんがロケで泊まったと聞いたから^^。

                           

 

 

 

           

            

             

            円山川の流れを眺めながら。

           

            ツインのベッドルームに掘り炬燵、というところがよろしい。

 

 

 

 

        

            旅を終えて。

 

 

 

            「砂の器」は、私にとって「白い影」とはまた違う意味で大切な作品だ。

 

            和賀英良に出会わなければ、今の私はありえなかったから。

 

            だから、亀嵩、篠目に続いて、夕日ヶ浦はどうしても訪れたい場所だった。

 

            残念ながら季節は真逆だったけれども、あの日本海の美しさ、そしてどこか寂しい風景は

 

            やはりそのままだったように思う。

 

            そして、和賀さんの美しい横顔を照らしていた夕日ヶ浦の落日を見られたことも嬉しかった。

 

            いつかまた、今度はあの山影に沈む夕陽を見に行けたら、と思う。