私は貝になりたい  長野・上田編(2008年10月)

 

          2008年10月。11月22日の公開に先駆けて、各地で試写会も始まった。

          中居くんは「どこまで行くの貝?」と称する全国キャンペーンを精力的にこなしている。

          まだまだ自分自身は映画を見るチャンスには恵まれそうにないが、

          秋の休暇を利用して、長野県上田市のロケ地を訪ねることにした。

 

            ※ 映画公開後の追記、および追加写真。 

 

        旧西塩田小学校(現・さくら国際高校)

 

                      廃校となった旧西塩田小学校は、現在さくら国際高校という通信制高校の校舎として使われている。

           ロケ地としては、「学校の怪談」や「卓球温泉」、古くは小津安二郎の作品などにも登場しているそうだ。

           「私は貝になりたい」では、外観と校庭が使用された。

           校舎には戦時中独特の爆風防止のテープが窓に張られ、校庭は軍事訓練の場となった。

 

          

           上田駅から別所線で25分。別所温泉の2つ前の舞田駅で下車。

 

          

           2両のローカル線。ここから田んぼの中の道を20分ほど歩く。

 

          

           校門。小さく「さくら国際高等学校」の表札がかかっている。

 

          

           これは小学校のときのまま。二宮金次郎像もいかにもの古さだ。

 

          

           教室では授業が行われていた。

           あまり写真ではよくわからないけれども、窓ガラスにはテープのあとが

           かなりはっきりと残っていた。

 

            ※ この校舎だけは木造でないことと赤い鉄板があるためか、

               撮影では周りにかなりの木々が植えられていたようだ。

               あれだけの木や花を植えるのは相当な労力だろうと思う。

 

          

           木造校舎。この階段室の感じがなんともいえずいい感じだ。

 

          

           ※  敵兵を想定した藁人形が立てられていたあたり。

              上田フィルムコミッションの方からの情報によれば、あの藁人形がこの木造校舎の

              水道のところにまだ横たわっているそうな。美術トラックに積みきれず、そのまま

              置き忘れてしまったらしい。さて、いつまでそこに残されているか・・・。

 

           

           公式サイトの予告編バックになっている階段室。

 

          

           こんな感じのアングルで。

 

          

           上の2枚の写真のちょうど裏手側。この入り口の雰囲気がいい。

 

          

           軍事演習の行われた校庭。

                          ※  映画では向こう側に塀が作られていた。

               当時の軍事訓練は当然オープンに行われていたのではないだろうから。 

 

          

           思ったよりも狭く感じられた。

  

          

           泥まみれになりながら、あるいは殴られながらの訓練だったのだろう。

 

          

            この日は雨。山には霧がたれこめていた。

 

                     

                       ※ 学校近くのバス停から。

             映画の中で「大北山」の設定になっている向こうの山は「独鈷山」という。

             米兵の捜索のために兵士たちが山のほうに向かっていく場面で、

             棚田の横を通っていくが、あの棚田は「稲倉棚田(堰免)」で、

             独鈷山を背景にした合成映像だそうだ。

             

 

        浦里小学校

          

          浦里小学校は、今も現役の学校だ。

          大正時代の建築で、「なつかしの小学校木造校舎100選」にも選ばれている。

          ロケ地としても「ひめゆりの塔」「宮澤賢治その愛」など、さまざまな映画が撮影されている。

          今回は、校舎内が夜のシーンで使用された。

            

          

           校門。課業時間だったが、とても静かだった。

 

          

           立派な正面玄関。

 

          

            今よりさらに以前の校舎に掲げられていた校名の看板。

            山岡鉄洲の筆によるものだそうだ。

 

          

           玄関を入ってすぐの廊下。

           ある事件が起きて、兵士たちが一斉に部屋から飛び出す、というシーンが

           撮影されたという。

 

            ※ 映画では豊松たちが軍人勅諭を奉読する場面だけだった。

              「ある事件」というのは日高中隊長の切腹のことだろうか。

              (脚本にもそのような場面はなかったが)

 

          

           その廊下のいちばん端から見たところ。

 

          

           その反対側で、職員室前の廊下。

           床がこれだけ光っているのは子ども達が一生懸命磨いているおかげだとか。

 

                      

                      ここで撮影された作品の写真や出演者のサインなどがずらりとある。

 

          

          「貝」の関係は六平直政さんのみ。

 

          

           と思ったら仲間さんのサイン。ただし「リング0」のときのもの。

 

          

           渡り廊下。ここでも撮影があったそうだ。

            ※ 日高中隊長の切腹場面か。

 

          

           やはり階段の雰囲気がいい。

 

          

           少人数だそうだが、子どもたちの歌声や話し声があちこちから聞こえていた。

 

          

           雨にぬれた木造校舎のたたずまい。

 

          

           2階の図書室から、向かいの校舎を望む。

 

 

                  唐沢の滝

 

          菅平高原の手前にある唐沢の滝は、道路のすぐ横という好条件もあってか、

          やはりよくロケ地として使われるようだ。

          最近では「隠し砦の三悪人」に登場。

 

          

               「羽根尾」バス停から徒歩5分。

 

          

           車道からでもこんなふうに見える。

 

          

           ※ 米兵の捜索のため歩いていった道。 

          

               

                落差15メートル、幅は約10メートルだという。

 

               

             なかなか水量が多く、もうこのあたりで霧状の水しぶきがすごい。

             紅葉の時期にはさらに美しい景色が見られることだろう。

 

               ※ この滝の右側を兵士たちが登っていき、豊松と滝田が滑り落ちて

                  立石上等兵に怒鳴られていた。

 

               

             ここでの撮影は、軍服の下にウエットスーツを着ての苛酷なものだったらしい。

             5月とはいえ、かなりの寒さだったとエキストラの方のレポにあった。

 

 

             上田は「映画のまち」ということで、そこここに上田ロケ作品のポスターが展示されたりしていた。

             11月からは上田城前の市観光会館で「私は貝になりたい」の資料展示もあるようだ。

             それも含めて、またゆっくりと訪れてみたいと思わせるような街だった。